philosophia_tti1

花は、枯れるから美しいというのは真か。
枯れない花が存在しない時代は、やはり真だったのだろう。

1980年代の日本には、永遠の花は存在しませんでした。
ところが、1987年ポール・ランバード氏がベルギーで開発したプリザーブドフラワーの出現によって、瞬く間にフランスで大流行した後、日本でも取り扱うことが出来る一部の専門家や富裕層を中心に花に対する価値観が一転してし始めてしまったのです。
日本に、花束を贈るライフスタイルが少しずつ取り入れてきた矢先のことです。

華道を嗜む和花と違い、贈り物の花たちの9割が洋花。
見合った花瓶がなく延命剤の健闘も虚しく、贈られた瞬間から手入れが行き届かず枯れていく一方。
という現実をどれだけ見てきたことでしょうか。
もはや昭和のような100本の薔薇の花束に喜ぶ時代は、過去となったと言えます。

ここにダヴィンティーニが、大胆にもプリザーブドフラワーのみ扱うと限定して選ぶ必要があったのです。

地球上に点在し現在まで守られている建造物の世界遺産。
語り継がれる名著。
時空を越えて愛される絵画たち。

一瞬だけの快楽にとどまらないこれらの魅力は、歴史を創る保存要素がすべて組み込まれているからです。
いずれも、設計者・製作者本人のためではなく他者に捧げるため。その結果、私たちの記憶に残り次世代にも残せる宝物となっています。

ダヴィンティーニは、新しい文化にいち早くアンテナを立て時代の先駆者であり続けるとともに、「ギフトとは、歴史の起源となる」という信念を貫いてまいります。

芸術の女神ムーサ(ミューズ)の一人であるタレイアは、喜劇を司る神。その名のタレイアとは、ギリシャ語で「開花する」を意味します。ダヴィンティーニのアトリエに、ヴァチカンより運んだタレイアの彫像が常にあるのは、人を喜ばせたい精神に宿る神の象徴であるからです。